INTERVIEW
MOTION CITY SOUNDTRACK
2012.06.07UPDATE
2012年06月号掲載
Member:Justin Pierre (Vo&Gt)
Interviewer:MAY-E
-サウンドにはよりバンド感が戻ってきたように思います。具体的にどのようなサウンドを目指しましたか?
あまり意識していた部分ではないけど、ツアーを多く経験し、一緒にいる時間が長かったからその一体感は現れていると思う。それがバンド感って言うのかな。ここ数年、あまり喧嘩もしてないので、大人になった部分も大きいと思うよ。レコーディング中は腰痛が酷くて、苦痛に耐えながらの作業だったけれど、レコーディングしている興奮や喜びもあって、ちょっと不思議な感じだったんだ。体が悲鳴をあげていたけど、気分は良かったよ。「Boxelder」という楽曲に1行だけ、自分が苦しんでいるって書いちゃったし。その時の気持ちを少しだけ歌詞に入れこむのが好きなんだ。
-「Everyone Will Die」など、サウンドに奥行きのあるナンバーもありますね。サウンド面で工夫した点や苦労した点を教えてください。
あの曲は全てが輝いていると思う。未完成のままスタジオに入って、少しずつ作り上げた曲だよ。面白いことにデモのヴォーカル・パートも実際使っているんだ。ヴォーカルの使い方が気に入っていたので、音のクオリティが良くなくてもいいと思ったんだ。最終的にはそこにある音ではなく、エモーションに気がとられるわけだから、クオリティより雰囲気がよければいいと思った。それに本物のストリーミング・プレイヤーが来てくれて、質のいいサウンド作りもできている。そのコントラストが最高だと自分では思っているんだ。とてもいい音の世界が作れたよ。
-Ed Ackersonを迎えての共同プロデュース作だそうですね。彼は今作にどのように貢献してくれましたか?
彼はクレイジーな音が好きではあるけれど、しっかりしたポップ・ソングも好きなんだ。とても才能があるから、テクニカルを求めるなら、彼はそれにもちゃんと答えてくれる。ハメを外したいなら、それもしてくれる。とても自由な発想ができるし、率直に意見を言ってくれるから良かったよ。
-前作とのテイストの違いはアートワークからも見てとれますが、このアートワークは何を表現しているのでしょうか?
これは“誕生”や“死”など、色んな見方が出来るんだ。人生って常に変化しているから、その部分を伝えたいと思ったんだよ。
-最後に、日本のファンに特に注目して聴いて欲しいアルバムのポイントを教えてください。
このアルバムはポジティブなアルバムだから、その中でみんな自分なりの関わり方ができると思うんだ。僕は気まぐれで祖母に会いたくなって、飛行機で彼女に会いに行ったことがあったんだけど、末期癌で会った翌日に亡くなったんだ。彼女はもう喋ることができなかったけど、僕が会いに行ったことをとても喜んでいたみたいだった。悲しいけれど、美しい経験だった。アメリカ人って死を非常にネガティブに思っているけど、そうでなくてもいいと思う。死を祝福するって変な言い方かもしれないけど、生まれた時から死は確実にやってくるものだから、それをポジティブに受け入れるという気持ちがあってもいいと思う。このアルバムはそういう所も少し歌っているよ。愛で悲しみを乗り越える、それがポイントになるのかもね。