INTERVIEW
FEAR FACTORY
2012.06.06UPDATE
2012年06月号掲載
Member:Dino Cazares (Gt)
Interviewer:KAORU
-新作「The Industrialist」の完成おめでとうございます!素晴らしいアルバムですね!アルバム・タイトルから漲る自信が伝わる作品ですが、リスナーからの反応はいかがですか?
かなりいい反応があるよ。世界中のジャーナリストとも話しているんだけど、メディアからの反応も今の所ポジティブで最高だよ。
-メンバーは前作と同じラインナップですか?
いや、ラインナップは同じじゃないよ。まあ、コア・メンバーは俺とBurtonだけなんだけど、他のミュージシャンは雇用しているだけ。ドラマーはMike Hellerで、ベースにはMatt DeVriesを起用したんだ。
-今作は「Obsolete」以降は初となるコンセプト・アルバムですが、なぜ今コンセプト・アルバムをリリースしようと思ったのですか?
そうだな。コンセプト・アルバムをまた作ってみたくなったんだけど、今回はもっとスペシャルな、もっと意味のあるものにしたかった。アルバムを作ろうと思って作業を進めていたんだけど、結局タイトルを思いつくまでは前に進めなかった。タイトルが決まってからは一気に動き始めて、何もかもが繋がっていくような感じだった。コンセプト、音楽、全てが浮かんで来たんだ。
-"機械対人間"というテーマは、FEAR FACTORYが結成当初から常に打ち出してきたコンセプトですが、時代は更にデジタル主義になり、この2012年という時代だからこそ、このアルバムは現代に警鐘を鳴らす作品になっていると感じました。
そうだね。いや、“人間対機械”だよ。機械にも色々あるだろ?アンドロイドやロボットという論理的な機械もあれば、機械という政府の“操り”や、政治、宗教。俺たちは今までにこういうメタファーを使って色んな題材に取り組んで来た。今は尚、こういう題材に触れないといけない時代になっていると思うんだ。内容はかなり深刻だよ。
-プリプロにはどのくらいの時間がかかりましたか?
プリプロには3ヶ月ほど費やしたんだけど、その後はスタジオで2ヶ月くらいレコーディングした。曲順を考えるのはそれほど難しくなかったな。割とすんなり思いついた。
-非常に物語性のある流れの作品ですが、プロデュース面で苦労したことや、やり方が異なる部分はありましたか?
アルバム作りは俺にとって楽しい作業なんだ。プロデューサーのRhys Fulberと一緒に仕事をしたことによってプラスな面もあったね。彼は俺たちが求めているサウンドどころか、ビジョン、方向性、全てを理解してくれているし、バンドが誕生した時からずっと一緒にいてくれた。だから、彼とのアイディアのやり取りはいつも新鮮な感じがして凄くいいんだ。それから、今回はMACHINE HEADにいたLogan Maderとも一緒に仕事をさせてもらったんだけど、彼はギターとベースとヴォーカルも部分的にトラッキングしてくれた。それが今回違ったところかな。
-シングルはどの曲になりますか?
既に数週間前にリリースされているシングルが「Recharger」。セカンド・シングルは「New Messiah」で、これからリリースされる。ミュージック・ビデオもあるよ。
-このアルバムを、どのようなリスナーに届けたいと考えますか?
どんなリスナーでもいいよ。みんな!全く差別なく、全ての人に聴いてもらいたい。(声を大きくして)世界中のみんなに聴いてもらいたい!買ってもらいたい!俺たちが世界一のバンドになるように、みんなに聴いてもらいたい(笑)!
-ボーナス・トラックに収録されている「Landfall」と「Blush Response」が出来た背景について教えてください。
「Blush Response」はダブステップ風のナンバーになっているけど、それはリミックスでそうしただけなんだ。アルバムに載せるつもりの楽曲でもなくて、あくまでボーナス・トラックとして作ったもの。「Landall」はPICHISHIFTERのカヴァー・ソングだよ。
-最近のDinoのお気に入りのバンドがいたら教えてください。
THE BROWNING というバンドをよく聴いてるよ。今一緒にツアーをしているんだけど、Burtonも俺も凄く気に入っているバンドだからツアーに誘ったんだ。キーボードをふんだんに取り入れていて、モダンなサウンドで聴きやすいし、他の人がやっていることと違うことをしているところが好きなんだ。
-エレクトロの要素を取り入れたメタル・バンドがどんどん増えていますが、そのシーンの行く末はどうなると考えますか?
そうだね、何年もエレクトロを取り入れているバンドがいるよね。ヨーロッパのバンドでよく見るし、ブラック・メタルのバンドだって、実は先駆者だよ。それにFEAR FACTORYの影響を受けているバンドも、最近はエレクトロを取り入れている。これが好きかと聞かれると、使い方、取り入れ方によるって答えるしかないな。センスの問題だからね。