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INTERVIEW

MURDERDOLLS

2010.09.03UPDATE

2010年09月号掲載

MURDERDOLLS

Member:Wednesday 13(Vo/Key/Gt/Ba)  Joey Jordison(Gt/Dr/Per)

-前作と今作の間には非常に長い時間が経過していますが、なぜこの作品を発表するまでここまで長い時間がかかったのですか?

Wednesday 13(以下W):実際の所、MURDERDOLLSとしての活動が一段落した2003年にJoeyはSLIPKNOTの活動に戻り、3枚目のアルバムを作った。
それから1年か2年の間、俺は今後MURDERDOLLSとして活動するのかどうか全くわからない状態だったんだ。たしかそのアルバムでSLIPKNOTは2年間に及ぶツアーをやったんだよな。で、俺は自分の事をやり始めた。SLIPNKOTとしての活動が一段落した後も、JoeyはMINISTRYやKORNとのツアーに出かけたりして、それで俺は俺自身の活動をしていた。
色んなことをやってて、お互いにとんでもなく忙しかったんだよね。数年間はお互いのやりとりも随分少ないものになってたんだ。MURDERDOLLSとして次のアルバムを作るっていう考えは彼の中にも無かったみたいだし。だから、MURDERDOLLSはもう二度と動き出さないんだろうなって思ってた。でも、1年か1年半くらい前から、お互いにまた話をするようになって、お互いにアイデアを出し合うようになってきた。
俺達二人とも、現在のミュージック・シーンに飽き飽きしてたんだよな。そんなこんなで、MURDERDOLLSを再び世界に復活させるにはベストな時期だって思えるようになったんだ。

-もうMURDERDOLLSは終わった、と思うときはありましたか?

Joey Jordison(以下J):一枚目のアルバムはいい出来だったし、あの時期をとても愛してたんだよね。素晴らしい時を過ごしたし、一番いい状況で活動を終わらせる事も出来た。当時は確かに、まずSLIPKNOTに戻ってその後また新しいMURDERDOLLSのアルバムを作ろうっていう考えを持っていたよ。でもWednesdayはその頃既にソロとして活動を始めていて、ソロ用の曲なんかも作り始めてた。だから、"OK、いいんじゃない、よくわかるよ。ソロで活動していくのもありだろ"って感じだった。もし今後MURDERDOLLSとして次のアルバムを作るなら、ベストなタイミングが来るまで待つ事にしようってね。
もしセカンド・アルバムをすぐに作ったとしたら、たぶんそれは『Beyond the Valley of the Murderdolls Part2』的なものになっていたかもしれないだろ。今はとても気分がいいよ。出来上がったものは、まさに完璧な形で仕上がったからね。
あのアルバムは、完全に誇りを持ったアルバムだったかというと、ちょっと違うかもしれない。出来には満足しているけどね。その後は、もうMURDERDOLLSとして次の作品を作る必要性はないのかもしれない、とも考えていた。でもまた俺とWednesdayはゆっくりと再び一緒に歩むようになっていった。一年半くらい前から、俺達は8年間というブランクにとって足るような内容の曲のアイデアをお互いに交換し始めたんだ。どんなバイブになるのかを探りながらね。
ちょうど同じ一年半くらい前、いや、ちょっと前からだったかな、俺は徐々にフラストレーションを感じ始めていた。SLIPKNOTの『All Hope Is Gone』を発表して、ツアーを続けていたんだ。SLIPKNOTっていうのは他のどのバンドとも全く違う独立したバンドさ。同じようなものにMURDERDOLLSもなるべきだって考えてた。全く違うバンドだけどね。
俺は、"メタル・シーンがまた俺をこけにし始めやがった、俺がメタルヘッドだからな"っていう気がしてた。どのバンドの悪口をいうつもりもないし、こけにするつもりもないけど、メタル・シーンはあまりに溢れすぎてるって気がしたんだ。徐々にうんざりしてた。何万ものバンドがそこにはいて、お互いにいかに早く、いかにすごいプレイで差をつけるかって事だけに気を取られてて、どれも同じに聞こえるんだよね。"『Iowa』のサイクルの後半に俺がやってきた事と全く同じじゃないか"って思い始めたんだ。そこで、ちょっと全てを揺り起こさなくちゃって感じたのさ。で、Wednesday と話をし始めたんだよね。"よし分かった、真剣に曲のアイデアをまとめ始めようぜ、今こそこいつを復活させるんだ、今がその時なんだって気がするんだよ"ってね。そして、ここに俺達が今いるってわけさ。

-バンドのラインナップはどのように決まっていったのですか?

W:アルバムを作る前は、ラインナップも何もなかったんだ。当時はそれほど重要じゃなかったし。頭の中にはこいつだって奴もいたけど、このアルバムは俺達だけで作るんだって最初から考えていたからね。ギタリストのRamon Surmanは、実はギター・テクとしてスタジオに来てくれたんだ。俺達二人ともギターのチューニングに関して言えばすごくアバウトだったからね。素晴らしい奴で、一緒にいて楽しいんだ。彼は家にあまりいたくないタイプの奴だったから、彼を連れて一緒にハングアウトしてたんだ。彼とハングアウトし始めたのと同時にJoeyと俺もまたつながりを持つようになって、俺もRamonを知ってたし、JoeyもRamonを知ってた。で、だったらこいつをバンドに入れようじゃないかってなったのさ。奴は素晴らしいギター・プレイヤーで、地獄みたいにクールな奴さ。スタジオに入ってる時に、俺達はギタリストを見つけたってわけだな。
で、その後ベーシストを見つけて、そしてドラマーを見つけて、形になったのさ。このラインナップが固まったのは、アルバムを作り終えてすぐ後の事だったね。前のメンバーやオリジナルのメンバーの気を悪くしたくもなかったから、結構気を使ったよ。でも、当時のラインナップは、正直言って大急ぎで集められたメンバーだったからね。電話帳を見て、写真を見て、"OK、こいつのヴィジュアルはバンドにぴったりだから、こいつをバンドに入れよう"っていう感じだったんだ。実際リハーサルの間に一緒にツアー・バスで過ごして、バンドらしく、そして友達になれる方法を探してたくらいさ。5人の男が集まって、飲みまくってパーティーして、そんな感じにね。あまりに不自然な感じだけど、実際そうやってあのランナップは出来たんだ。
光のように過ぎ去った8年を経て、今ここにいる。以前とは違う場所にいるわけだし、いろんなクソみたいな事も経験してきた。疲れ切った混乱みたいなあのレベルと同じ事をまたやるなんてないだろ? だから、新しいバンドにする必要があったんだ。新しいラインナップは新鮮で、いい感じだね。そのままやっていくつもりさ。だから、こうやって新しいラインアップにしたってわけさ。

-WednesdayとJoeyの、特別な関係性というか、つながりに関して教えて下さい。

J:俺とWednesdayねぇ...。俺が自宅から彼に電話をした時、俺は彼のバンドのアルバムを聞いてた。当初、彼はTHE REJECTSの数回のショウでベースを弾いてもらうためにきてもらったんだけど、それからすぐうまく何かがはまったんだよね。俺にはこの別のバンドのアイデアがあったし、その話もしてた。その頃には既に何曲かレコーディングもしていたんだ。彼の前のバンド、FRANKENSTEIN DRAG QUEENSも大好きだった。俺はアルバムを作り始めてたし、ROADRUNNER RECORDSが既に興味を持ってる事も知ってた。で、"OK、彼には以前のバンドがある。これは俺のバンドだ"って思ってた。実際一緒に曲を書いたりはしていなかったんだ。彼の昔のバンドの曲から俺が好きな曲を何曲か選んで、そして俺が既に書きあげていた曲もあったから、言ってみれば前のアルバムはそれらを合わせて作ったものだったのさ。でも時がたって、ツアーを通して、俺達は本当に親友になっていったんだ。違う視点から見たら、それってくそみたいだけどね...、いや、実際にクソだったわけじゃないけど、でもSLIPKNOTの活動へと戻らなくちゃならなかったからね。そして俺はSLIPKNOTのアルバムを作り、それから、実際に関係が一切途切れたわけじゃないけど、お互いを失ってしまった感じだったんだ。ツアー中にちょっとお互いをみかけたりもしたけど、何度か話はしていつつも約5年間は彼と全く会う機会がなかった。そしてもう一度お互いに合うようになって、なんだか二人はシャム双生児みたな感じだったんだ。あの時の感じが全て戻ってきたんだ。お互いに話すようになって、メールのやりとりも頻繁にするようになって、周りにある全てへの反逆を企て、MURDERDOLLSを復活させ、今度は完璧な形でやり遂げる事に対してのめり込んでいった。実際、二人で一緒の部屋で曲を一緒に書いたのは、今回が初めてのことなんだ。彼も曲のアイデアがあり、俺にも曲のアイデアがあり、それを組み合わせていった、という感じかな。前作は基本的にはあり合わせで作ったデモみたいな感じだった。だから、今作がMURDERDOLLSとしての真のファースト・アルバムなんだ。この形こそあるべき姿なわけで、それ以外の事はみんな麻痺しちまってるようなものさ。あの時はすごく楽しかったけど、今とは全く違う感覚だね。俺達は別の場所にいて、俺達はうんざりしてるんだ。俺達は反逆から生まれてきたのさ。血潮のために存在してるんだ。俺とWednesdayはそれぞれの文章を完結させた。今の俺達には強いつながりがあるのさ。こんな関係はそんなにあるもんじゃない。特に音楽シーンにおいてはね。