INTERVIEW
MURDERDOLLS
2010.09.03UPDATE
2010年09月号掲載
Member:Wednesday 13(Vo/Key/Gt/Ba) Joey Jordison(Gt/Dr/Per)
-どこで、誰と一緒にこのアルバムをレコーディングしたのですか?
J:Zeussっていうプロデューサーと一緒にレコーディングした。彼とは俺が3 INCHES OF BLOODの『Fire Up the Blades』っていうアルバムをプロデュースした時に一緒に仕事をした事があるんだけど、彼は本当に素晴らしいプロデューサーだ。彼の仕事は、凄まじいパンチ力のあるサウンドを生み出してくれる。スーパー・ヘヴィで、スーパー・ストロングなんだ。彼を選んだ理由は...、 実際ROADRUNNER RECORDSはちょっと彼を使う事に懐疑的だったんだ、"彼はあまりにメタル・ガイすぎる"ってね。でも、"そんな事は分かってる。俺を信じてくれ"って説得した。だってその頃、レーベルの誰も俺達のデモをまだ聞いていなかったからね。これは前のMURDERDOLLSとは違う。俺とWednesdayは全く新しい方向性に向かってるんだ。その方向性に彼はぴったりだったのさ。
彼とは長い時間を一緒に過ごしたよ。友達でもあるしね。何万回も彼と一緒にハングアウトしてたし。彼は俺達と同じタイプの人間だからこそ、このアルバムに彼はぴったりだって思ったんだ。で、実際彼とやってみたんだけど、本当に凄い男だよ。一日18時間ほど働いて、ミスは一切ないんだ。まさしく戦士だね。素晴らしい仕事をしてくれたし、俺の思うサウンドをちゃんと理解してくれてたんだ。俺はプロダクション・ワークに関して言えばざっくりしすぎてるからね。何万回も一つの事をやりつづけて、ある日突然、がらっと変えてみたり、時には自分でなにをしてるのかわからなくなる事もあったりするくらいなんだ。でも彼は俺が聴いているサウンドをそのものずばりで出してくれる。完璧に仕上げてくれるんだ。衝撃だったね。彼は新しい居場所を俺達に見つけてきてくれた。ハリウッド・ヒルズにあるパーフェクト・サウンド・スタジオっていう、俺とWednesdayにとっての新しい居場所をね。スタジオでは素晴らしい時を過ごせたよ。このレコードは、ハリウッド・ヒルズにあるパーフェクト・サウンド・スタジオっていう場所でレコーディングされたんだ。ゼウス、彼は完璧だよ。彼はいつも言ってたね、"このアルバムは今までやってきたどの作品よりも最高に楽しい作品だよ"ってね。
-アルバム・タイトルを『Women and Children Last』にしたのはなぜですか?
J:まさしくMURDERDOLLSっぽいだろ?アルバムを聴いた人は、"なんてこった、いったい奴らは何をしやがったんだ?"って思うだろうね。このタイトルからどんなサウンドが出てくるのか、誰も想像できないだろ? でも、このタイトルにはオールド・スクールなMURDERDOLLSのユーモアがあるんだ。最初に考えてたタイトルは『The World According To Revenge』になる予定だったんだ。アルバムの一曲目で、「Chapel of Blood」のイントロとなる曲だね。Wednesdayが持ち込んだタイトルだった。で、ある晩、俺達は酔っ払いながらお互いにメールのやりとりをしてたんだけど、彼がこう書いてきたんだ、"タイトルなんだけど、『Women and Children Last』にするってのはどうだ? VAN HALENの『Women and Children First』のスピン・オフって感じでさ"ってね。このタイトルに俺も妙にしっくり来ちゃってさ、"それこそタイトルだぜ、みんなをびっくりさせるはずさ"って返したんだ。一度このタイトルを聴いたら、忘れられないだろ? シリアスなロック・ファンだったら誰でもそうなるはずさ。俺にもディープなVAN HALENファンの友達がいるけど、そいつは"お前は狂ってる"って言ってたね。でも、David Lee Rothが認めたんだ。これがあれば誰も文句はないだろ? John5がDavid Lee Rothに伝えてくれたらしいんだけどさ。最高だね。あいつらは天才だ。これ以上良い状況なんてありえない。Wednesdayに伝えたのさ、"タイトルはこれで決まりだ"ってね。
-歌詞ではどんな題材を扱っているのですか?
W:ここにある歌詞は、どこでもありうる話さ。ホラー・ムービー・ソングは今回はないよ。映画を見て、よし、この物語を歌にしよう、とかは今回しなかったんだ。今回の歌詞の大部分は、半分は個人的な歌詞で、もう半分は物語っぽくなってる。前回のアルバムでは、まずホラー映画を見て、そこから影響を受けた歌詞を作ってた。ファニーな歌詞をね。でも今回は、自分でアイデアは考えを作り上げていった。たとえば「Chapel of Blood」。前にやってた時、Joeyが何か言ってたけど俺には自分で何をしてるのかわからなかった。でもこの曲をやった時、この曲は個人的な曲でも何でもないんだけど、このサウンドを聴いたとき、すごく邪悪なテイストを感じたから、そのテイストから「Chapel of Blood」っていうタイトルに決めた。この言葉はJoeyが数か月前に紙に書きとめておいてくれてたんだけど、それから俺は、"「Chapel of Blood」ねぇ...、この曲はどんな歌詞になるんだ?"って考えてた。曲を聴きながら、いろんな想像をして、ある男の物語を思いついたんだ。女の子をいけにえにして、彼が"チャペル"という建物の天井から彼女たちを吊るし、血を吸い取りながらその血で壁一面に絵を描いていくっていう物語をね。この物語は映画からヒントを得たものじゃない。頭の中で作り上げた物語なんだ。クールだろ? そういう物語を歌ってる。で、「Summertime Suicide」っていう曲では、ある日家に帰ると、ガール・フレンドの遺書を見つけた男の話だ。彼は彼女の血の跡をたどりながら地下室へと入っていき、そこで彼女の死体を見つける、っていうような話を歌ってる。そんな感じだよ。正直に言って、このアルバムの出来と同じくらい歌詞にもハッピーなんだ。
J:そういった物語の曲もあるし、「Nowhere」や「Whatever You Got, I'm Against It」や「Nothings Gonna Be Alright」、そして「My Dark Place Alone」は、シリアスな曲だね。こういった曲は俺やWednesdayにとってとてもとても個人的な内容だ。特にWednesdayにとってね。だからこういった曲はシリアスな曲になってるんだ。そう、全てパーソナルな歌詞だよ。
W:物語的な曲は、ある意味「Chapel of Blood」的な内容さ。で、「My Dark Place Alone」は、ここ5年ほど俺が行き詰ってた頃の事を歌ってる。俺は自分の脳に語りつづけてたんだ。俺の人生ですべてが動き始めた時期だったかな。この曲のビデオを見れば、俺達から悪魔を引き離そうとしてる俺達を見てもらえると思う。もう狂ってるね。そうやってきたんだ。「Nowhere」では、ある仕事についてて、全てがうまくいかない事について歌ってる。このタイトルは、"全てうまくいくものなんてない、行き詰まりだ"って感じかな。これらは個人的な歌詞だよ。だからこそ、こういった曲をライヴでプレイするのが待ちきれないんだ。新曲を数曲ライヴでもやったけど、その時のバイブが忘れられないんだよね。こういった曲をプレイし始めた瞬間、バンドとそのエネルギー・レベルは確実に次の段階へと昇っていくんだ。この曲をプレイし始めると、スウィッチが入る感じなんだよね。どこかで俺の頭の中のネジがどっかに言っちまったのかどうかは知らないけどさ。ステージに上がったら、昔ステージでプレイしていた俺とは違う男になってるはずさ。楽しんでるし、相変わらずジョークを言ったり笑ったりもするけど、もしどこか頭がおかしくなってんじゃないかっていう風に見えたとしたら、そう、その通りなんだろうな。