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INTERVIEW

DONOTS

2010.05.10UPDATE

2010年05月号掲載

DONOTS

Member:Ingo Donot (Vo)

-楽曲について教えてください。「Changes」はバンドのスタイルだけでなく新しいサウンドを持っているように思えます。この曲についてどのような気持ちでしょうか?

「Changes」がアルバムのオープニング曲っていうのがとても気に入っているよ。音楽的にタイトルに沿っているからね。僕らはリスナーを掴まえるためにテンポが早くてへヴィーな曲でアルバムを始める必要はない。この曲はゆっくり始まり秒ごとに強まる。人生のセカンド・チャンス、人とは2度会うということについての曲。人生は変化するけれど、ある意味自分が望めば変わらない。とてもポジティブなメッセージを含んでいるんだ。
それにクールなのが、僕らの良い友達HOT WATER MUSIC のChuck Raganがこの曲でオープニング・スピーチをしてくれている。彼が僕らのオフィスの留守電に入れたメッセージをイントロに使ったんだ。彼は、「いいか、おまえ、既に毒を食べたのなら、皿をきれいになめればいい。一人で歩いているのであれば、家へ遠回りすればいい。」と言ったんだ。良いオープニングでしょ。

-2曲目の「Calling」は少しダークでエモーショナルですね。この曲に物語りはありますか?

「Calling」はアルバムの中でもっとも80'sだね。そわそわしてメランコリックで、ラブソングと言えるかもね。誰もが誰かが恋しくても届かない気持ちを知っていると思う。夢や欲望についての曲。そして凍った足!この曲のビデオを撮ったときGuido Donotは本当に親指を凍らせたんだ。マイナス20度のスウェーデン、ストックホルムで凍った湖の上で撮ったんだ。僕らは氷の像の役で、4時間続けて立っていないといけなかったんだ。ビデオは最高だけどGuidoの足はそうじゃないよ。(笑)

-「Forever Ends Today」はミッドテンポで素晴らしい女性の合唱団が入っていますね。永遠の終わりというテーマですが、続くという強い感情が入っています。何がこの曲を書くのをインスパイアしたのでしょうか?

このメランコリックな曲はアルバムの中で僕のお気に入りの一つで、女性の合唱団は全体の雰囲気にぴったり合っていると思う。勇気についての曲。関係が駄目になった時それを手放すのにはとても勇気がいると思う。人はルーティーンにはまりがちでパートナーとの関係を絶つより幸せでなくてもそのまま生活することを選ぶ。僕も一時期そうだったけど、全てを終わらせ自分の人生を進んでいる事について幸せに感じている。永遠を共に出来ないようであればそれぞれの道を進むべきだよ。

-「High And Dry」という一緒に歌えるエキサイティングな曲がありますね。この曲の物語は?

「High And Dry」は本当に皆で歌える曲だよ。バンドの"Pirate Song"って呼んでいる。海賊のイメージをこの曲でよく使い、合唱団が嵐の中一緒にボートに乗っている感じをよく出している。ラブソングでもあるけどとても荒いもの。海と波のように。荒々しく、リスクがあるが、大胆で旅してみる価値があるってことかな。

-「Let It Go」はBob Dylanを思い出させます。Ingoの声はハスキーで印象的です。この曲のインスピレーションは?終わりに女性の声が聞こえますが、誰ですか?またなぜその声を使ったのですか?

わお、Bob Dylanはすごいほめ言葉だよ。ありがとう!この曲は酔っ払ってアイリッシュな感じだったから、パブで友達と酔っ払って一緒に歌っている感じを強調する為にマンダリンを使った。死者を追悼するという芸術についての曲。失った人ともう一緒に過ごせない時間について悲しむのは無駄だと思う。一緒にすごした楽しい時間について覚えておく事の方が大切だと思う。友達と一緒にいれば悲しみを乗り越えられる。本当にこの曲の僕は結構ハスキーだね。この曲を歌うベストな方法だったんだ。声高々に友達を思い出しているんだ。終わりの女性の声だけど、女性の声じゃないんだ。Guido Donot がとっても高い声で歌っているんだ。彼の女性の一面(笑)。

-スカやラスティックの要素を取り入れた「Dead Man Walking」のテーマは?

短い文でテーマをまとめられるよ。"もうたくさん、もう行くから!"自由になること、誰かのルールに従わず、誰かが掘った穴から抜け出す事についての曲。アルバムの中で一番ヘヴィーな曲でGuido Donotがほぼ歌っている。彼の横柄なパンクロックの態度が歌詞に合うと思ったんだけど、彼も良い仕事をしたよ。僕が一番気に入っているのは誰もDONOTSの曲では想像しないであろうチューバの部分。「Dead Man Walking」のポルカっぽい感じはライヴでよく出ると思う。ツアーに出て日本でこの曲を演奏するのが待ちきれないよ!

-「Make Believe」はスピーディーでエモーショナルな曲ですね。この曲のストーリーは?

『Rock Against Bush Volume 2』というコンピレーションに提供した「Time's Up」という曲を覚えてる?幸いもうブッシュが大統領ではないけれど(笑)。オバマ大統領にはアメリカや世界政治を逆さにし、よい方向へ導いてくれると望んでいるよ。
でも同時にパンク・シーンにとっての目の敵がいないのがおかしいよね。ブッシュは最高の反アイコンでキッズ達は誰を責めればいいか分かっていたけど、今はオバマがリーダーでキッズは憎しみを誰に向けていいか分からなくなっている。オバマはThe Idiot Son Of An Assholeであるブッシュよりは良い人だろうけど証明しないといけない。Make Believeは僕らの2010政治的コントリビューションってところ。

-「Who You Are」は初期DONOTSを思い出させます。またマイクから離れて歌っている部分がありますがなぜでしょうか?

そうだね。「Who You Are」は初期のDONOTSに似ているね。夏の夕日の長い影のようなサウンド。ポジティブで切なくアルバムのトラック・リストに貢献している。一息つかせアルバムの80'sっぽい部分よりだいぶ落ち着いている。君が言った部分は、ビッグ・プロダクションからリハーサル・ルームのサウンドへスイッチすると面白いんじゃないかと思ったんだ。まるでアルバムのレコーディングではなく僕らが練習しているように聞こえるでしょ?この部分が昔のDONOTSのように聞こえる理由だろうし、結局僕らはライヴ・バンドでライヴ、汗、つばがいくらあっても足りないって事。

-「Years Gone By」はアコースティックでカントリーっぽい曲ですね。アイデアはどこから?またこの曲のストーリーは?

フォークっぽい木の楽器のみの曲にしたかったんだ。アコースティックで演奏できる間奏にするつもりが、曲のフック・ラインがとても強く、アルバムの中のお気に入りの曲だと言う人が何人もいたんだ。だからこの人生のチャンスをつかまない人についての曲が、本格的なアンセムになったんだ。すでにアコースティックで何度か演奏したんだけど、とてもうまくいっているよ。皆合唱して、夜暖炉のそばで酔ってパーティーしているよう。僕らがカントリーやフォークが好きなのは秘密じゃないよ。いつかJohnny Cashのタトゥーをいれないとね。

-「 Hello Knife」とは面白いタイトルですね。グランジのようなサウンドで強いビートに驚きました。この曲のストーリーは?

タイトルを気に入ってくれてありがとう。「 Hello Knife」はアルバムの中で一番ダークな曲じゃないかな。脅迫的に聞こえるけれどポジティブな曲なんだ。友達や家族や信じるものに対して全てを差し出す事。献身についての曲。EikeのドラムとJan-Dirkのベースがとても力強く、Whooooooooooの合唱が完璧に同調している。この合唱の部分はデモ・セッションの残りなんだ。デモ・レコーディングがよかったから本番の曲に使ったんだ。バンドの皆で歌っているのが聞こえるだろうけど、僕らの団結力を表している。DONOTSはファミリー・ビジネスで血は水より強い。

-最後の曲「Parade Of One」はドラマティックなバラードですね。この曲のインスピレーションは?サウンドのアイデア(ストリングス、シンセサイザー、オーディエンスの歓声)はどこから来ましたか?

「Parade Of One」は一番気に入っている曲。エピック的な大きなエンディングが欲しかったんだ。この曲もまたゆっくり始まり最後にはライヴ・オーディエンスの合唱とともにフルパワーになる。DIE TOTEN HOSENとツアーした時15,000の観客に一緒に歌ってもらって録音してアルバムに入れたんだ。一人のパレードが最後にはでかいパーティーに変わる。僕らの友達がこの曲を聴いて、QUEEN の「Bohemian Rhapsody」のトリビュート的に「Westphalian Rhapsody」と名づけた。確かに「Parade Of One」は僕らの小さなロック・オペラ。この曲を出来るだけ大きく、そして予想外にするためにチェロやオーケストラ・ストリングスやその他の道具を使った。DONOTSの曲で一番力強く、歌詞でいうと一番パーソナルな曲。自分自身、欠点でさえも信じ、一人で立ちたった一人のマーチング・バンドのように世界を歩くこと。