INTERVIEW
BLEEDING THROUGH
2010.04.09UPDATE
2010年04月号掲載
Member:Brandan Schieppati(Vo)
Interviewer:米沢 彰
―3度目となる来日おめでとうございます。前回の来日が2007年のIndependence-Dですので、3年振りということになりますね。久しぶりの日本は如何ですか?もしくは前回の来日の時の思い出もあれば教えて下さい。
俺たちは日本が大好きだから、久しぶりに来日できてすごく嬉しいよ。ここ3年間ROADRUNNER JAPANからCDを出してなかったせいで、来日する機会が今日までなかったのが残念だったよ。日本のファンは音楽に対するパッションとエネルギーにものすごく溢れていて、ライヴでそれがびしびし伝わってくるから俺たちは日本ライヴするのが本当に好きなんだ。今回で3回目の来日だけど、日本には全く飽きないし、それどころか来る度どんどん好きになっていくんだ。俺には「日本のここが好き!」ってところはなくて、むしろ日本の全てが大好きなんだ。俺は散歩がてらに東京巡りをするのが好きでよく一人で都内をあてもなく歩いてるんだけど、都内には似た景色がたくさんあって、自分の今の居場所がわからなくなることがよくあるんだ(笑)。それでも日本の街には、俺が住むアメリカの街にはないものや景色が溢れてるから、一人で歩くのが好きなんだよ。昨日もライヴ後にぶらぶら歩いてきたけど楽しかったよ。
―今回、MACHINE HEAD、HATEBREEDという非常に強力な2バンドとの共演となりましたが、彼らとのショーの1日目を終えて如何ですか?
すごくいい気分だよ。彼らとはヨーロッパのツアーでも6週間ずっと一緒だったから、家族みたいな感じで、いつも一緒にいるのが当たり前に感じるよ。
あと、2人目の赤ちゃんが生まれる俺たちのドラマーは今回育児をするためにツアーをまわってなくて、代わりにサポートのドラマーとまわってるんだけど、ヨーロッパツアーでのライヴも日本での昨日のライヴもすごくうまくいって、とても満足しているよ。昨夜のライヴの盛り上がりは最高だったしね。
―いよいよ来月のリリースとなった5作目のアルバム『Bleeding Through』の完成おめでとうございます。前作は日本盤が出ずに非常に残念だったのですが、今作はROADRUNNER JAPANからのリリースということで、ここ日本でも非常に期待されています。
ありがとう。さっきも言ったけど、ROADRUNNER JAPANからアルバムをリリースすることは来日に直接繋がるから、ROADRUNNER JAPANからまたCDを出すことができてすごく嬉しいよ。アルバムについてだけど、俺は今回のアルバムの出来に非常に満足しているし、誇りに思っているんだ。『Bleeding Through』は暗いけどメロディックで、すごくカッコいいアルバムに仕上がったんじゃないかな。
―5作目にして初のセルフ・タイトル・リリースということで、今回のアルバムに何か込める想いや意味などがあるのでしょうか。
今回のアルバムをセルフ・タイトルにしたのは、このアルバムのどの一曲を聴いてもBLEEDING THROUGHらしさを感じてもらえると思ったからさ。このアルバムのテーマは、ハートブレイク、つまり悲嘆なんだ。ここで言う悲嘆とは、失恋とか恋愛絡みの悲嘆じゃなくて、実はバンドマンとしての悲嘆のことなんだよ。少しおかしく聞こえるかもしれないけど、バンドにいるということは非常に悲嘆的なんだ。俺はバンドを始めてもう10年になるけど、10年間もバンドをやっていたら、メンバー同士のすれ違いやメンバーの脱退、そして新メンバーの加入など、たくさんの出会いと別れを経験したし、今まで様々なことを犠牲にしてきた。俺たちは今回この気持ちを歌詞に乗せて、メッセージとして発信しているんだ。
―『Bleeding Through』は、BLEEDING THROUGHらしいオリジナルなサウンドが更に進化し、より壮大な音になった一方、オーセンティックなメタルのテイストがより目立つようになったと感じました。楽曲の制作にあたってサウンド面で意識したことやコンセプトはあったのでしょうか?
前作のアルバムはブラックメタルな雰囲気のアルバムで、アルバム制作はすごく楽しかったんだ。今回のアルバムのコンセプトは、前作のブラックメタルな雰囲気に、初期のBLEEDING THROUGHの緊張感を足したような、とにかく速くて、暗くて、激しくて、だけどきれいなメロディーも入っているっていう深いアルバムになったよ。
―今作は、BLEEDING THROUGHらしいエクストリームなサウンドに加えて、それぞれのパートのレベルが更に上がっているように感じられました。あなたのグロウルも更に獰猛になり、かつクリーンパートにも挑戦し(Track.5「Salvation Never Found」)幅が更に広がったように感じますが、ご自身では意識されていましたか?
すごく意識しているよ。俺たちは1年のうち200日はライヴをしていて、それを10年間やっているわけだから、昔に比べるとヴォーカリストとしての幅がだいぶ広くなったと実感しているよ。スクリームやグロウルについては、すごく低い声から高い声まで色々な高さの声を出せるようになったことが、今の俺の自信になっているよ。あと、クリーン・パートについてもすごく成長したと感じているんだ。今回のアルバムでベースのBrianと俺が一緒に歌う部分が何ヶ所かあるんだけど、今回レコーディングをして、歌い手としてお互い成長したなぁと実感したし、これも俺の自信に繋がったよ。だから君の言う通り、それぞれのパートのレベルが上がったアルバムだと言えると思うな。