INTERVIEW
HiFi HANDGRENADES
2008.04.26UPDATE
Member:John (Vo. & Gt.) / Tony (Vo. & Gt.)
Interviewer:KAORU
―それは凄い話ですね!曲作りは普段どのようにして行っているんですか?
T:基本的には各自一人一人が書いてくるね。俺とジョンは一緒に住んでるんだけど、お互いの仕事が終って家に帰ってから、色々アイデアを話し合ったりとかもするね。
J:俺はギターは使わずに頭の中で曲を書くんだけど、ある程度完成された曲の形になってから、初めてメンバーに聞かせて、それからアレンジメントを決めたりっていう感じかな。
昔はライブをやる為にたくさん曲を書いてたけど、今は曲がいっぱいあるから、毎晩違う曲を演奏してるよ。ノッてる時はセットリストを無視して演奏しちゃったりもするんだ。
―あなた達それぞれのお気に入りの曲を教えてください!
J:アルバムを作ってる時は一曲を何百回も聴くから客観的に見るのは難しいよね。
T:俺はミックスした後まるまる三ヶ月このアルバムを聴かなかったよ(笑)来日する前に改めて聴いてみたんだけど、お気に入りの曲っていうのは常に変わるものなんだよね。「Stupid」の時もあれば「Smiling Judas」の時もあるし。「Sunset Sunrise」も好きだし。
難しいね~。
J:俺は「Smiling Judas」のソロが好きだよ!
―なるほど、わかりました!それではFOO FIGHTERSのサポートを務めることになった経緯を教えてください。
J:俺たちのマネージャーはFOO FIGHTERSのツアーマネージャーでもあるんだ。
だからその関係で、デイブ・グロールのスタジオが空いてるからそこでレコーディングしないかって言われたんだ。FOO FIGHTERSのレコーディングが終わった後三日間だけ空いてるからその期間だったら使ってもいいっていうことになって。
それでデトロイトからそのスタジオまで行ってレコーディングしたんだ。で、レコーディングの最終日に、録った音を聴いていたんだけど、曲を聴き終わった後、「最高じゃん!もう一曲聴かせてくれよ」っていきなり後ろから言われて、振り向いたらデイブ・グロールがそこにいたんだよね!
それで次の曲を聴き終わった後、「凄いクールだ!ところで君たち一週間後は何をやってるの?」って聞かれて、「う~ん、特に何も。」って答えて。「じゃあ一緒にツアーしようぜ!」って突然言われたんだ。もちろんすぐOKしたよ。決まるまでに五分もかからなかったんだ!
―デイブ・グロールは尊敬出来る人ですか?
J&T:もちろん!!!当然だよ!!!マジで最高さ!!!
J:彼は今まで会ったミュージシャンの中で最も地に足が付いていてクールな人だよ。凄い成功を収めた人で、超有名人なのに、めちゃくちゃ普通のいい人なんだ。
T:差別しないで、誰しもに敬意を持って接してくれるんだよね。ロックスターなのにそれっぽくない、素晴らしい人なんだ。
J:彼と出会えて一緒に仕事出来たことに凄く感謝しているよ!
―彼はロックスターの中でも人格者として知られていますよね。
それでは、個人的な音楽遍歴を教えてください。初めて買ったレコードは?
J:俺は7歳か8歳の時、三枚同時に買ったんだけど、KISSの「ALIVE Ⅰ」、VAN HALEN「Ⅰ」と「Ⅱ」だね。
T:俺が初めて自分のお金で買ったレコードは、BRUCE SPRINGSTEENの「Born In USA」だよ。
J:それを言われると俺とTONYの年の差を感じて嫌になるよ(笑)だって「Born In USA」が発売された時、彼は7歳で、俺は13歳だったんだ(笑)
―(笑)じゃあパンクに目覚めたのはいつだったんですか?
T:6年生か7年生の時はラジオで流れてるものや友達が聴いてるものを聴かせてもらってたくらいなんだけど、ちょっと飽き飽きしちゃったんだよね。
あと俺の父親が60年代、70年代のオールディーズが好きで、そういうのを聴いて育ってたんだけど、14歳の時に友達から「この二枚を絶対聴け!!!」って言われて聴いたのが 、MISFITSの「Walk Among Us」とBLACK FLAGの「DAMAGED」だったんだ。それでもう、ぶっ飛んだんだ!MISFITSは俺が今まで聴いていたものの要素に加えてアグレッシブさがあって、BLACK FLAGは今まで一切聴いたことがないような音楽だった。それからパンクに目覚めて、彼らが影響を受けたバンドや、彼らに影響を受けたバンドまで掘り下げていったりして、自己流で音楽を学んだんだよね。
J:俺の親は音楽が好きで、父親はギターをやってたんだけど、Crosby Stills Nash & Young やJames Taylorをよく聴いてた。それで母親の方はロックンロールが好きだったんだ。で、俺は母親からの影響の方がでかくて、そこからメタルとかハードロックが好きになって、自分でもよくレコードを買っていたんだよね。実はデトロイトに引越した13歳か14歳まではカリフォルニアにずっと住んでてスケボーをやってたんだけど、スケボー雑誌には絶対Dead Kennedys とかBlak Flagのが載ってたから名前は知ってたんだけど、実際聴いたことはなかったんだ。で、デトロイトに引越してから初めて仲良くなった友達もスケボーをやる奴だったんだけど、俺はその頃Iron MaidenとかMotoley Crueを聴いてたんだけど、彼に「お前パンクを聴いたことあるか?」って言われて、「名前は知ってるけど聴いたことはないよ」って言ったら、Black FlagとSuicidal Tendenciesのアルバムを貸してくれたんだ。で、俺の両親は敬虔なカトリックで”天国と地獄”とか、そういう観念を叩き込まれて育ったから、この二つのアルバムを聴いてぶっ飛んじゃったんだ。「ケネディー大統領を暗殺せよ」とか「貧乏な奴は殺しちまえ」なんて歌なんだもん(笑)最初は「俺はこんな音楽を聴いていたら地獄に堕ちるんじゃないか」ってビビりまくってたんだけど(笑)それと同時に、思春期の俺は常に怒りに満ちていて、そんな俺の中のドロドロした感情を発散させてくれるのは、これなんじゃないかって思ったんだ。自分の人生のサウンドトラックを見つけたような感じで目覚めちゃったんだ。それで初めてパンクのライブに行ったんだけど、みんな狂ったみたいに乱暴だし、すっごい爆発したように発散してるのを見て、自分が今まで体験した音楽と全く違うもんだからめちゃくちゃ興奮したよ。俺は基本的にブルースもジャズもカントリーもロックンロールも、あらゆる音楽が好きだけど、パンクの衝撃だけは忘れることは出来ないよ。