DISC REVIEW
-
-
メランコリックなメタル・サウンドで孤高の存在感を放つ、フィンランドが誇る大ベテランによる通算15枚目となるニュー・アルバム。今年で結成から35年という節目を迎え、本作では新たにデンマーク出身の名プロデューサー、Jacob Hansenを起用しており、豊富なキャリアに裏打ちされた安定感とフレッシュなサウンドが高次元で融合した音作りになっている。トレードマークとも言える悲哀を帯びたメロディの美しさ、ドラマチックなアンサンブルで魅せるAMORPHIS節が細部にまで刻み込まれた、独特のムードを存分に味わえる作品に仕上がった。アグレッシヴな要素はやや控えめながら、慟哭の美旋律を味わいたい方であれば間違いなく満足できるだろう。 井上 光一