DISC REVIEW
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濃厚な暗黒美学に彩られた大英帝国が世界に誇るエクストリーム・メタルの最高峰による最新14thアルバム。本作は、彼等が今もって唯一無二の存在であることを改めて証明してみせた見事な作品となっており、大仰なシアトリカルさとゴシックな彼等らしい世界観を軸としながらも、正統派とも言えるメロディックなギターが随所に盛り込まれているのが印象的だ。Dani Filthの金切声による高音シャウトも健在で、2022年に加入した女性キーボーディスト、Zoe Marie Federoffによるヴォーカルも効果的。あえて言えば彼等の作品の中では聴きやすい部類の作風であり、アクの強さも相まってなんとなく敬遠していたという人にこそぜひ聴いてほしい。 井上 光一