DISC REVIEW
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主人公の恐竜が仲間たちと共に25歳の誕生日パーティーを開くも、邪悪な敵と手下に妨害され――等というストーリーだけ聞いてどれ程の人が興味を持つのかは不明だが、DERAIGNやODIUSといったバンドでドラマーとして活動していた、オーストラリア出身のChalky Hillが全ての楽器とヴォーカル、曲作りを担ったワンマン・バンドによる、往年のスラッシュ・メタルのオマージュを詰め込んだ2nd EPである。コンセプトはともかく1980年代のスラッシュ~クロスオーバー・スラッシュをパーティー向けに再定義したような全4曲には、首謀者の本気具合と愛情を感じ取れるし、チープさはあれど単なるパロディにとどまらずに楽しめる好盤だ。 井上 光一