DISC REVIEW
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EPのタイトル"PARADOXON DOLORIS"を直訳するなら"矛盾した痛みや悲しみ"というような意味になるだろうか。この作品に詰め込まれたのは、現実から目を逸らさせない、心の傷を抉る曲たちであり、傷付いた心を守る歌たち。どの曲でも、相反するような思いを巡らせる言葉が綴られている。それはなぜなのか、そこを探る程に、きっと痛くて怖い現実が見えてくるはずだ。演奏陣は、各曲でヒリヒリとした痛みを与える尖った音を突き付け、トリッキーという言葉で片付けてしまっては浅はかすぎるくらい、そこには人の感情を切り刻む衝撃を伴った音が詰め込まれている。この5曲と正面から向き合ったとき、あなたの心にどんな変化が表れるのだろうか......。 長澤 智典