DISC REVIEW
-
ノルウェーが誇るプログレッシヴ・ロック/メタルの雄による通算8枚目、3年ぶりとなる最新作。近年の彼等は初期のヘヴィなスタイルから離れて欧州的大仰さ、メロドラマ的な楽曲展開や美しいメロディを重視したサウンドを追求していた印象だが、本作ではフロントマンのEinar Solbergいわく、"オーケストラ的な要素を全て取り除いた"とのことで、電子音的な装飾はあれど、グロウル(!)も含めたアグレッシヴな要素の帰還を喜ぶファンは多いだろう。とはいえ、美麗なファルセットを駆使した、ドラマチック且つダークな雰囲気を纏う独自のサウンドと美学は健在であり、MUSEのようなバンドが好きな向きにも彼等の生み出す音世界は響くはずだ。 井上 光一