DISC REVIEW
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イエテボリ・スタイルのメロデスを巧みに昇華し、慟哭のリフとメロディを大阪の地で鳴らす新鋭による待望の1stフル・アルバム。もともとはDeGraceというバンド名で活躍していた面々が関西シーンの重鎮、ReN(Gt)をコンポーザーに迎えて新たなスタートを切ったという経歴を持つ彼ら。豊富なキャリアに裏付けられた緩急自在のバンド・アンサンブル、卓越したソングライティング能力が生み出す楽曲群の完成度の高さは折り紙付き、アグレッシヴさの中にえも言われぬ悲哀を宿すヴォーカルの表現力も素晴らしい。20年代も半ばに差し掛かり活況を呈する日本のヘヴィ・メタル・シーンにおいて間違いなく注目すべき見事な1枚と言えよう。 井上 光一