DISC REVIEW
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近年ではポップ・カルチャーにも引用されるなど、ニューメタルはヘヴィ・ミュージックの1要素としてすっかり確立した印象があるが、一方で全盛期のスタイルを継承したバンドはそう多くはないのかもしれない。そんななかでFROM ASHES TO NEWは、核心部をアップデートして現代へと繋げている稀有なバンドのひとつと言えるだろう。彼らがこのたび発表した『Blackout (Deluxe)』は、各国のメタル/ロック・チャートで1位を記録した最新作に6曲のボーナス・トラックを加えたアルバム。Chrissy Costanza(AGAINST THE CURRENT)の参加でエモさを増した「Barely Breathing」や、バンドがルーツのひとつと語るOF MICE & MENのAaron Pauleyを迎えた「One Foot In The Grave」という豪華ヴォーカルのフィーチャーはもちろん、EDM/ラップ・シーンからの客演もユニーク。彼らが築いてきたサウンドに新鮮なヴァイブを加えた傑作を、違った側面からさらに奥深く楽しむことができる。 菅谷 透