DISC REVIEW
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DREAM THEATERのカバー・バンドからスタートしたという中東レバノン出身の5人組による通算3枚目のアルバム。プログメタルらしいコンセプチュアルな内容で表題曲は14分を超える大作、という時点でこの手の音楽性に慣れていなければ気後れしてしまうかもしれないが、彼らは個々の卓越したテクニックを誇示するのではなく、緻密なアンサンブルやソングライティングに重きを置いているタイプであり、美しいメロディとドラマチックな楽曲は熱心なプログメタル好きならずとも心を奪われるはず。フュージョンやDjentなどの要素を巧みに取り込みながら、中東というルーツを感じさせるオリエンタルな雰囲気が濃厚に感じ取れるのも彼らならではの武器であろう。幅広い層に聴かれるべき快作だ。 井上 光一