DISC REVIEW
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"どうやって速く走れるかって/そればっかり考えてたんだ"と歌い、誰もが通る"青春の原体験"を想起するリード曲のTrack.5を軸に、このバンドの持つ儚い青さが、今作を通して限りなく透明に近い、透き通った青さに感じる。"走り出す俺の血"という印象的なリリックが鼓動のようなビートに乗り駆け巡るTrack.1を皮切りに、メロコアやポップ・パンクの影響を感じさせるTrack.2や、オートチューンを介しポスト・パンク的なビート・アプローチをみせるTrack.3、パワー・ポップ・サウンドながら"君に近づきすぎてきっと/見えなくなってしまうよ"という歌詞を乗せ切なさを感じるTrack.7、さらにはyonigeの牛丸ありさ(Vo/Gt)を迎えたシューゲイズ曲のTrack.9など、多様な音像と抒情的な歌詞によって今の彼らのアティチュードが最大限に集約された1枚。純朴な想いと揺るぎない信念を持ち、それぞれの理想の先にある"Hallelujah"のためにアンセミックな"Songs"がどこまでも連れていってくれる。 横山 開