DISC REVIEW
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合法なシロモノではあるが、CHAQLA.の生み出す音楽は精神侵食型スピリチュアル系ミクスチャー・ロックとも呼べそうなヤバみが濃厚なものだ。聴き手側のチャクラを強引にこじ開けるかのごとく、彼らの音楽は遠慮ない爆音で奏でられるのである。例えば、未来に想いを馳せて作られたという楽曲「BACK TO THE FURTURE」では、場面展開過多で過積載気味な拗らせラウドロックがハジけ、そこに乗る啓発風味の漂うシュールにしてポジティヴな詞たちは覚醒を誘う。あるいは、粘度の高いスラップ・ベースの音と、呪詛のように響く歌とやけにポップなフレーズが不意打ち的に融合する「太陽の悪魔」では妙に中毒性の高い世界が供される。気づいたときにはすでに沼っている可能性もあるだけに、取扱いには充分注意されたし。 杉江 由紀