DISC REVIEW
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耳に残る哀愁を帯びたキャッチーなメロディ、小手先の装飾音を一切省いた流麗なギター中心のアンサンブルが織りなすアンセミックな楽曲が目白押しで、混じり気のない王道のメロディック・メタルが高らかに鳴り響く様は清々しいほどである。本作はスウェーデンのパワー~フォーク・メタルのFALCONERのヴォーカリストだったKristoffer Göbel(Vo)と、同じくスウェーデンのART NATIONでギターを務めるChristoffer Borg(Gt)を中心に結成されたプロジェクトによる最新作サード。全体的にやや地味な印象も受けるが、楽曲によってはフォーキーな要素も盛り込まれ、ピュアな北欧魂を宿す楽曲群はどれも時代の流行などとはまるで無縁の魅力を放っているのだ。 井上 光一