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DISC REVIEW

Vivid Black

2024年で結成30年、ハンガリーが誇るグルーヴ・メタルの大ベテランによる通算14枚目となる最新作。"鮮やかな黒"というタイトルが物語るのは、唯一のオリジナル・メンバーにしてフロントマンのZoltán Farkasの深刻なプライベートでの経験を反映した怒りや心の闇であろう。在りし日のSLIPKNOTを想起させる、全方位に向けた荒れ狂うヘイトの塊が容赦なく押し寄せるヘヴィ・グルーヴのすごみは過去最高レベルに達しており、耳に残るメロディックなパートにも常に痛みが伴っているように聴こえる。サウンドに宿る底知れぬ負のエモーションに身震いするほどではあるのだが、本作を作り上げること自体がFarkasにとって一種のセラピーとなっていることを祈りたい。 井上 光一