DISC REVIEW
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クラシック・ギター奏者として国際的な知名度を誇る、Johan Smithが率いるスイス産メロディック~テクニカル・デス・メタル・バンドによる最新作。すでにシーンにおいて高い評価を受けているバンドであり、本作も圧巻のテクニックと高度なバンド・アンサンブルが魅せる芸術的ヘヴィネスに思わず脱帽してしまう。初期はメロディックなブラック・メタルを鳴らしていた彼らならではの暴虐性を残しつつも、クラシックやジャズ、フラメンコなど様々な音楽性を融合させたカオティックな音世界ながら散漫な印象を与えない、あえて言えば聴きやすいと感じさせるほどの見事なソングライティング・センスは、近しい音楽性の他のバンドと比べても頭ひとつ抜けた存在へと成長したと言っても過言ではないだろう。 井上 光一