DISC REVIEW
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ドイツのベテラン・メロデス・バンドによる約5年ぶりとなる通算8枚目のアルバム。結成は1994年、デビュー・アルバムをリリースしたのが2000年と長いキャリアを誇るバンドならではの安定感、奇をてらうようなこともなく愚直なまでに王道のメロデスと向き合うスタイルは健在で、この手の音が好きであれば間違いのない出来栄え。IN FLAMESなどの北欧メロデスの魂を明確に宿した叙情性はもちろん、随所に盛り込まれたツイン・リードで魅せるアンサンブルはいかにもジャーマン・メタルといった趣で、正統派のヘヴィ・メタルが好きという人も満足できるはず。男気溢れるヴォーカルも極端にブルータルなものではなく、あまりにもヘヴィな音には苦手意識があるという人でも聴きやすいと言えそうだ。 井上 光一