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DISC REVIEW

IV - Infinite Victor

2005年に結成、2013年までに3枚のアルバムをリリースしており、本作が実に10年ぶりのフル・アルバムというフィンランド出身のプリミティヴなブラック・メタル・アクトによる最新作。プリミティヴ、と書いたが劣悪なプロダクションや邪悪なムードに特化したタイプのバンドと比べれば聴きやすいと言えるサウンドを提示しており、ブラック・メタルならではのトレモロ・リフの応酬や吐き捨てるようなヴォーカルに加えて、北欧らしい哀愁を帯びた旋律やメロディアスなギター・ソロもしっかりと盛り込まれているのも特徴的だ。個性という面においてはやや弱いながらも、水準以上のテクニックに裏打ちされたアンサンブルと質の高いソングライティング・センスも相まって、だれることなく聴き通せる。 井上 光一