DISC REVIEW

ELLEGARDEN

『The End of Yesterday』

Release Date : 2022-12-21
Label : Universal Music

CD :
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活動休止から10年を経た2018年に再び集結し、これまでのファンも、休止中にも様々なバンドを通じてその音楽に触れた若いファンも巻き込んで、コロナ禍の時間も含めて熱狂的なライヴを重ねながらボルテージを上げ続けたELLEGARDEN。そして待望のリリースとなったのが、16年ぶりとなるアルバム『The End of Yesterday』だ。先行シングル「Mountain Top」や「Strawberry Margarita」はまさに、バンドの帰還を知らせるキャッチーなグッド・メロディとキレのいいバンド・アンサンブルで心拍が跳ね上がった人も多いだろう。同時にそこには懐古的な空気はなく、現在進行形で時計を進めているバンドの姿もあった。メンバー4人で米ロサンゼルスに渡り共同生活をしながらレコーディングをしたそのバンド感、高揚感は音に閉じ込められているが、細やかなアレンジメントやモダンでシャープなサウンドメイキング、重厚でいて抜けの高い音の鳴りで、一曲一曲フレッシュさが際立っている。それぞれで重ねたキャリア、時間を内包した密度の高さも、リアルな今の時代の風が駆け抜けていく爽快さも感じる。どの時代のどんなジャンルの音楽もシームレスに聴ける時代になったが、ロック・バンドの最新作をリアルタイムで体感する喜びは得難い。その思いを改めて抱く瞬間だ。 吉羽 さおり