DISC REVIEW
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多くの素晴らしいメタル・バンドがしのぎを削るスウェーデンにおいて、近年注目を集めているGAUPA。スウェーデン語で"ヤマネコ"を意味する名前を持ち、女性ヴォーカリスト Emma Näslundがフロントに立つ5人組で、本作は通算2枚目のオリジナル・アルバムである。ドゥーム~ストーナー・ロックはもとよりプログレッシヴ・ロックからサザン・ロック、グランジまでも網羅したヘヴィ・サイケが生み出すグルーヴの中で舞う、Björkが憑依したかのようなEmmaのミステリアスな歌声による、呪術的なまでに中毒性の高いメロディは実に個性的だ。プロダクションが洗練されたことでいい意味での聴きやすさを手にし、彼女たちが世界的なバンドへと成長する可能性も秘めた注目の1枚と言えよう。 井上 光一