DISC REVIEW
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南カリフォルニアのポスト・ハードコア・バンド、DAYSEEKERの3年ぶりとなる5thアルバム。フロントマン Rory Rodriguezの父親の死などパーソナルな体験を反映した楽曲は、サイド・プロジェクトのHURTWAVEで培ったドリーム・ポップ/シンセ・ウェーヴのエッセンスも取り入れられた、浮遊感のあるメロウなエレクトロ・サウンドを軸に、ダウン・チューニングのオルタナティヴなギター・サウンドが絡みつくドラマチックな音像に。そこへRoryの強烈な個性を持つクリーン・ヴォーカルが組み合わさることで、美しく切ないノスタルジックな世界観を見事に生み出している。良くも悪くも従来のサウンドからは逸脱した印象だが、そのぶんシーンを超えて広く評価されそうな1枚だ。 菅谷 透