DISC REVIEW
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Steve "Zetro" Souza(Vo/EXODUS)の息子ふたりによるバンドといった説明も今や不要。通算4枚目にして新生HATRIOTとしては2枚目となる最新アルバムである。父親に激似のダーティなヴォーカルと、ベイエリア・スラッシュの血統を如実に示す、硬質でソリッドなリフの刻みを軸としながらも、本作ではデス・メタル由来のブルータリティが今まで以上に全面に押し出されており、メタルコアやグルーヴ・メタルといったジャンルの影響をも感じさせる音が特徴だ。哀愁を帯びたインスト・ナンバー「Murderous Tranquility」も堂々たる出来栄えで、偉大な父親の面影を残しながらも実力派の若手が試行錯誤を重ねて作り上げた、意欲的な作品として評価したい。 井上 光一