DISC REVIEW
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北欧デス・メタルの魂、ここに在り! 本作『Ways Of The Pack』は、幾多のヘヴィ・メタル・アクトを世に送り出してきたフィンランド出身の、活きのいい若手によるデビュー・アルバムである。クサクサのフレーズやトレモロ奏法、お約束のブラストビートに吐き捨てるようなグロウル、といったような古典的なイエテボリ・サウンドへの憧憬を色濃く感じさせるメロデスを基調としながらも、メロブラ風のシンフォニックな要素や、シンセ・サウンドなども取り入れて音楽性に幅を持たせているのは好印象。北欧らしいひんやりとした質感も良い。プロダクションの粗さや個性に欠けるという弱点もあるが、メタルコア以降のモダンなメロデスとは一線を画す、純然たるメロデスっぷりは逆に新鮮かもしれない。 井上 光一