DISC REVIEW
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2017年始動、今年6月に現5人体制になったサンサーラブコールズの1stミニ・アルバム。ノイジーでパンキッシュなロックであり、遊びのあるミクスチャー・ロックであり、またグランジの爆発感やハードコアの爆音を放ち、デジタルの乾いたビートによるR&Bもマジカルなポップスもある。テレビのチャンネルを乱暴に切り替えるような雑食さで、多ジャンルを縦横無尽に横断していくサウンドだが、確固たるバンドの音やスピリットが宿っていることを感じるバンドだ。自由気ままでありつつ、どの曲にもピリッとした緊張感が走っていて、切れ味のいい音とアンサンブルでスリルを煽っていく感覚。媚びることなく、いい具合に斜に構えて挑みかかってくる音とバンドの佇まいで、それでいてキャッチーさも垣間見える。その塩梅が絶妙だ。 吉羽 さおり