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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

DISC REVIEW

Sielulintu

詳細なバイオグラフィは不明ながら、2014年にフィンランドで結成された4人組による、2020年12月リリースのデビュー作。シューゲイザー風の夢想的な美を漂わせるノイズとメロディ、穏やかなアルペジオ、そしてブラック・メタル特有の冷たいブルータリティとが高次元で融合し、いわゆるブラックゲイズと呼ばれるジャンルの愛好家であれば確実に気に入るサウンドを鳴らしており、夢と現実との境界線が曖昧になっていくような、幻惑の音世界へと没入できる素晴らしい作品となっている。英語ではなく、母国フィンランド語と思われる言語で歌われているのもいい。この手の音のパイオニア、ALCESTからの影響は明らかだが、それだけに留まらない多くの可能性を感じさせる注目の1枚だ。 井上 光一