DISC REVIEW
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2019年に待望の来日を果たした、ドイツのポスト・メタル集団 THE OCEAN。これまでも壮大なコンセプト作を生み出してきた彼らが、約5億年以上に及ぶ"顕生代"をテーマにしたアルバムの第2弾をリリース。今作では中生代から新生代を扱っており、Track.2では恐竜の興亡を怪獣映画のようなホーンとブラストビートでダイナミックに描き、Track.6以降ではヒトの進化を複雑な曲展開に昇華。重々しいスラッジ・リフから美麗なアルペジオまで、圧巻の表現力で過去から現代へと繋がる地球史を描写している。柔軟に入れ替わる楽器編成や、エモーショナルなクリーンから怒りの咆哮まで巧みに使いわけるヴォーカルも聴きどころ。ポスト・メタルの看板を背負って立つ存在に相応しい、まさに超大作。 菅谷 透