DISC REVIEW
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FELLSILENT、PERIPHERYといったバンドの元メンバーを擁する、英国産テクニカル・メタルコア・バンドによる最新作。前作『The Amanuensis』(2014年)から実に4年ぶりとなる作品だが、確かな演奏能力に裏打ちされたバンド・アンサンブル、メロディの良さ、楽曲のクオリティそのものが明らかに向上した印象だ。大仰なストリングスの導入がドラマチックな世界観を演出し、Djent以降のテクニカルなリフは、強烈なブルータリティよりもインテリジェンスな美を感じさせる。クリーンとグロウルを巧みに使い分ける、Chris Barretto(Vo/Sax)の多彩な表現力もお見事。若干優等生すぎるきらいもなくはないが、総じてトップ・クラスの完成度を誇る作品だ。 井上 光一