DISC REVIEW
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大阪発、日本が世界に誇るハードコア・バンド PALMによる、フル・アルバムとしては約6年ぶりとなる通算3枚目の作品だ。ハードコアもグラインドもデス・メタルもストーナーもスラッジも、すべてが混然一体となって、暴力的なほどのカオティックな衝撃と破壊力で迫りくる生々しい激音を、過酷なロード生活で磨き上げた強靭なバンド・アンサンブルで見事にまとめ上げている様は、さすがのひと言。LAを拠点とする新進気鋭のアーティスト Samantha Muljatが手掛けたアートワークと共に、いっそ異形の芸術作品として成立せしめている。強烈な怒りはもちろん、時に迷いを感じさせる自問自答も含んだ日本語詞は、彼らの言う"音我苦"に対する誠実な心構えの現れであろう。襟を正して聴くべし。 井上 光一