DISC REVIEW
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00年代中盤以降のスクリーモ~ポスト・ハードコア・シーンにおいて、圧倒的な影響力と人気を誇るTHE DEVIL WEARS PRADAのフロントマン、Mike Hranicaによるサイド・プロジェクトのデビュー作なのだが、結論から言えば、本作に絶叫や美メロなどの要素を期待してはいけない。THE JESUS LIZARDの如き陰鬱な90年代的ノイズ・ロックや、80年代の暗黒ポスト・パンク勢を彷彿させるサウンドを基調にMikeによるスポークン・ワード的な歌唱が、時に冷徹に、時に狂的にアジテートし、さらにはポスト・ロック風のギター・ノイズも炸裂。Nick Caveが率いた伝説的バンド、THE BIRTHDAY PARTYに影響を受けているというのも、なるほどと思わせる1枚だ。 井上 光一