DISC REVIEW
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ロサンゼルス出身のテクニカル・デスメタル・バンド THE FACELESSの、前作『Autotheism』から約5年ぶりとなるニュー・アルバム。その5年の間に中心人物であるMichael Keene(Gt/Vo etc)以外のメンバーを一新させて生み出された本作は、極端なブルータリティと突出したテクニックで繰り出されるプログレッシヴな楽曲展開との融合、といった基本的なスタイルをさらなる次元へと押し進めた内容となっており、漂う幽玄の美は今まで以上に劇的なサウンドへと変質し、情感たっぷりに歌い上げるクリーンなメロディも違和感なく溶け込んでいる。フルート奏者をゲストに迎えた楽曲なども興味深い。DEPECHE MODEのカバー曲Track.6「Shake The Disease」も収録されており、心憎いセンスに脱帽である。 井上 光一