DISC REVIEW
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ex-NIGHTWISHという肩書も、もはや不要であろう。ソロ・アーティストとして確かなキャリアを積み上げてきた、フィンランドが誇るソプラノ歌手 TARJAの最新作は、自身にとっては2枚目となるクリスマス・アルバムとなった。先に断っておくと、サウンドとしては完全にクラシック音楽であり、非メタル、非ロックな作品であるので注意されたし。とはいえ、TARJAの歌声には神秘的な美とともに、闇に揺らめく妖しさが絡みついている。定番の讃美歌からトラディショナルなクリスマス・ソング、1曲収録されたオリジナル・ソングも含めて、全曲がアルバム・タイトルどおりダークでゴシックな雰囲気満載の作品となっているのだ。本作をBGMに、今年はひと味違うクリスマスを過ごされてはいかがだろうか。 井上 光一