DISC REVIEW
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Fat Wreck ChordsからRise Recordsへ移籍して、3年ぶりにリリースした5thアルバム。サウンドが変化したから移籍したのか、移籍したから変化したのか。いずれにせよ、スカ・パンクからメロコアにサウンドを変えてきた、このカナダの4人組がひとつのスタイルに固執しているわけではないことがここで今一度、証明された。彼らの魅力だった野郎臭さと哀愁は相変わらずながら、演奏はよりストレートなロックに接近。そのうえでメタルっぽいフレーズやエモっぽいアンビエントを意識したサウンドも取り入れていることを考えると、バンドは現在の自分たちに相応しいレーベルを見つけたようだ。ラストを飾るちょっとカントリー・ロックっぽい「No Roads」からは哀愁とはひと味違う味わい深さも聴き取れる。 山口 智男