DISC REVIEW
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少女の成長は早い。カナダ出身、双子のArn-Horn姉妹を中心とした3ピース・バンドによる最新作で、フル・アルバムとしては2枚目となる本作は、まだ姉妹が10代だったころのデビュー当時の、00年代エモ~ポップ・パンク的な要素が濃厚だったサウンドは、同じカナダ出身の大先輩(双子姉妹という共通点もある)TEGAN AND SARAを彷彿させる煌びやかなシンセ・ポップへと移行し、切ないメロディ・ライン、メインストリームのポップスにも通じる洗練されたアレンジが、バンドの新たな展開を明確に表している。どこか垢抜けない雰囲気が残っているのが味とも言えるが、抵抗感のあるファンも出てくるかもしれない。過去のスタイルにこだわらず、楽曲そのものと向き合うことを推奨したい。 井上 光一