DISC REVIEW
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ミネソタ州ミネアポリス発の5ピース、OUT CAME THE WOLVESのデビュー・アルバム。硬質でシャープなキャッチーさを持ち、今っぽいメタルコアやダークな雰囲気もあるのだが、個人的には2000年代初期のTHRICEやTHURSDAY、SILVERSTEINなどポスト・ハードコア・バンドの匂いを感じる。タトゥーまみれのメンバーもいてルックスこそ派手だが、華美でグラマラスなフックや、インパクトの高さで圧倒するようなところは皆無。ソリッドなリフとスクリームによる「Kodiak」(Track.6)、抑えたテンションの美メロとスクリームが掛け合う「Baby Blue」(Track.4)、高揚感のあるサウンドとグルーヴを持つ「Skin & Bone」(Track.9)など、ハードコア、パンクを軸にオルタナティヴに進化した曲が並ぶ。さりげないポップ性も散りばめてあって、この先も化けてくれそうなニューカマーだ。 吉羽 さおり