DISC REVIEW
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良くも悪くも、ヘヴィ・メタルとの境界線がほぼ消え失せた現代のメタルコアと呼ばれるバンドとは違う、あくまでハードコアを基盤とした、カオティックな音像が言い知れぬ不穏な空気を生み出すサウンド。ボストン出身の5人組による最新作で、通算5枚目となるフル・アルバムだ。2001年に結成以降、後のデスコアの雛形のような音をいち早く鳴らしながらも、激エモーショナルなメロディや叙情的なパートを取り入れるといったスタイルは、本作においても健在である。初期は名門Eulogy Recordingsから作品をリリースしていたことや、ニュースクール・ハードコアという言葉に思わず反応してしまうような方々は、ぜひ。 井上 光一