DISC REVIEW
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スクリーモ/メタルコアの牙城、Rise Recordsが昨年、契約したワシントン州スポケーンの5人組によるデビュー・アルバム。いわゆるスクリーモにメタル、エレクトロニックな要素も加えたうえで、ポップなロック・ナンバーからバラードまで、多彩なサウンドにアプローチ。その意味では、巧みに取り入れたR&Bの影響が彼らの個性を際立たせているが、王道バラードのみならず、R&Bナンバーをハードコア・サウンドで演奏するなんて荒業も。ストリングスを加えたアコースティック・ナンバーで美しいファルセットを聴かせる一方で、デス声の咆哮を轟かせる落差の美学は、まさにスクリーモの真骨頂。絶妙にビブラートのかかったヴォーカルとメロディからは民謡の影響もうかがえる。それが妙にクセになる。 山口 智男