DISC REVIEW
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"FACTの元メンバー、Hiro(Vo)、Kazuki(Gt/Vo)、Takahiro(Gt/Vo)によって結成された新バンド"、というだけでも十分に掴みはOKなのだが、さらにこのEP、一発録りのライヴ・レコーディングだというんだから、聴く前からドキドキものだ。そして、EDMとの融合も含め、緻密な音作りをしているイメージがあったFACTとはまったく別物な んだな、という覚悟もできた。ギターは、後期のFACTのヘヴィさに近い部分もありつつ、当然ではあるがAdam(Gt)加入前のFACTのメロディアスな感じに近い。複雑に絡み 合うトリプル・ギターが代名詞ともなっていたFACTとは性格が違う、全体的な楽曲のイメージも、より衝動的なラウドロックになっているように感じる。あまりにも偉大だった前身バンドから解き放たれて、再び素直に音楽と向き合った彼らが、なぜデビュー作をライヴで録ることになったのか、その心意気が身に沁みる作品だ。 山本 真由