DISC REVIEW
-
"ダダムリボーン"と読む三重発の4人組による1stアルバム。地元の先輩であるat Anytimeが運営する自主レーベルからのリリースとなる。最初に音源を聴いたときは、90年代後半から00年代前半にかけて一大ムーブメントになったミクスチャー・バンドに通じる懐かしい臭いを感じた。だが、ラップを主軸にしながら、普遍性のある歌心を備えたヴォーカルは、ジャンルを問わず多くのリスナーに響くことだろう。ヒップホップ、レゲエ、パンクなど、尖ったサウンドからまったり聴かせる曲調まで、かなり振れ幅の広い楽曲が収録されている。アルバム名通り、雑多な日常を切り取った何でもありの自由度の高さが彼らの武器と言えるだろう。全10曲、楽曲の根底から泥臭い人間味が出ているところも個性的だ。 荒金 良介