DISC REVIEW
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画一的なバンドに飽きたという向きには、大いに推薦したい。通算2枚目のフル・アルバムとなるアイダホ出身の4人組。ポスト・ハードコア、サザン・ロック、メタルなどの要素を柔軟な感性で料理しつつ、ハイテンションなブチ切れたシャウトと、男臭い苦みの効いたメロディを自在に操るヴォーカルを軸に、情報量の多いサウンドをコンパクトに楽曲に収める手腕は、前作『Saloon』(2013年)と比べて、カオティックさこそ減退したものの、より洗練されて、彼らの音楽性をさらに高みへと昇らせている。ファンキーなギター・リフで躍らせたかと思えば、レイドバックしたカントリー風の楽曲がさらりと盛り込まれたり、と多彩な音楽性を内包しながらも、一貫した個性が刻まれた、見事な作品である。 井上 光一