DISC REVIEW
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音のひとつひとつに強い意志が漲っている。2009年結成の紅一点バンド、my-Butterflyの最新作は"思想の提唱者"というタイトルの通り、ひたすら言葉と音が訴えかけてくるようだ。女性としての可憐さと力強さを併せ持つChiakiのヴォーカルは情感豊かで、言葉や音によってアプローチを変えてしなやかに情景を描く。抜けのいいマイナーの和メロとの相性もいい。サウンドもラウドロックを軸にしながら、そこにとらわれないニュー・タイプのミクスチャー・ロックで、緩急のあるアレンジも楽曲のストーリー性に説得性を持たせている。各楽器の表情のある音遣いもギミックとして効き、弦楽器やピアノの用い方も楽曲の世界を大きく広げ、6曲ながらに非常に濃厚だ。早くフル・アルバムを聴きたい。 沖 さやこ