DISC REVIEW
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2012年にVictory Recordsとレーベル契約をしたアメリカの5人組TEAR OUT THE HEARTが、2枚目となるフル・アルバムを完成させた。冒頭こそ強靭な音が重なるリフや機械的なアタック音、歪みの強いシャウトなどから生粋のポスト・ハードコア・サウンドを感じるが、そこで完結しないところがバンド最大の魅力だろう。サビのメロディが入った瞬間それまでのダークな印象は一転し、グッとエモーショナルに聴かせるクリーン・ヴォーカルが前に出る。そしてその二面性は、どちらもが凄まじい存在感を放つのだから恐れ入る。ソリッドなサビのメロはポップ・パンクにも通じるほどのフックで迫ってくる。まずは彼らの持ち味が十二分に表れたMV曲『I've Got Secrets』を聴いてみて欲しい。 小林 詩央里