DISC REVIEW
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メロコアmeetsジャズと謳われた1stミニ・アルバム『get over trials』のハイブリッドなサウンドが注目されながら、メンバー・チェンジを繰り返してきたBAN(Vo/Gt)率いる和歌山出身のFated Lyenoが4年ぶりにリリースした2ndミニ・アルバム。ジャズ/フュージョンの影響が表れたトリッキーなアンサンブルとメロコアの疾走感とエモの泣きが見事1つに溶け合ったサウンドはなるほど確かにユニークだが、それを他の誰とも違うものにしているのが日本人情緒溢れるメロディということにも注目しておきたい。それを考えれば、日本語の歌詞に初挑戦したTrack.6「blue...」の試みは大正解。後半、そのメロディがR&Bの影響を滲ませるところもおもしろい。ガツンとヤラれたあと、じわじわと染みる聴きごたえがある。 山口 智男