DISC REVIEW
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“孤高の存在”という言葉がこれほど似合うバンドもいないだろう。通算6枚目となるTHURSDAYのニュー・アルバムが到着。前作『Common Existence』を考えればごくごく自然な進化だと思うが、今作『No Devolucion』ではより優しいアプローチとサウンド・メイキングが際立った、愁眉で幻想的な音世界が広がっている。それでもディストーションがかったTHURSDAYらしい濃密な激しさは健在だし、“たった7日間で曲作りを行った”という通りに勢いのある楽曲もあるが、初期の生音とは一味違う独特の浮遊感があるなど味わい深い一枚だ。ポスト・ハードコアの代表格バンドとして語られていたのも今は昔。彼らが目指すのは、更なる高みだ。 MAY-E