Report : KAORU
ラウドパーク07'の大トリ、HEAVEN & HELLのライブがいよいよ始まる。
ヘヴン・アンド・ヘル(Heaven And Hell)は、2006年から2007年にかけてトニー・アイオミ、 ギーザー・バトラー、ロニー・ジェイムス・ディオ、ヴィニー・アピスという元ブラック・サバスの4人が再結成して音楽活動したときのバンド名である。
ステージにはヨーロッパのお城の柵のようなセットが両サイドに置かれている。
ライブ前から演劇状態。メタルの様式美はこの人たちが作ったんだな~なんていう感慨と共にライブは開始。
DIOは去年のラウドパークでも見たが、"小さい妖怪"という独特のカリスマティックな印象は変わらないまま。服装は全身黒ではあるものの、かなりラフな感じだ。
演奏は非常に安定しており、トニー・アイオミのギターの音は他バンドと比べてやや大きく強調されているのもあってか、とても印象的なサウンドだ。背徳の音とでも言おうか・・・。
基本的に楽器隊のメンバーは淡々とクールに演奏していく。しかし存在感は圧倒的。
ディオの語りかけるような、ドラマチックなボーカルもとても安心して聞いていられる。
正直、掻き立てられるような衝動などはあまり感じることはないが、このご時世、これだけのスピードで観客を引き込むことの出来るバンドはあまりいないだろう。
これぞベテランのなせるものというものだ。
たくさんの若者達がリスペクトをもってこのライブに臨んでいるわけだが、彼らはその期待を一切裏切ってはいない。ベテランだからといって、ゆるい演奏や表情は一切していない。
愛情に溢れ、まだまだやりたいことをやる!というロック魂をしっかりと伝えてくれる演奏だ。
大画面モニターにはトニー・アイオミのギターを弾く姿を、多く大きく映し出す。
そりゃそうだろう。DIOは去年も出演していたが、トニー・アイオミのギターというのが実質的にトリのような扱いとなるのは当然というものだ。
「Sign Of The Southern Cross」ではベースのエフェクトが印象的。
そう、ベースはギーザー・バトラーだ。
あの名曲「War Pigs」のベースを弾いた人なんだと思うだけでめちゃくちゃ感動してしまった。
「Voodoo」では野太いリフとこれぞメタルなグルーヴを見せ付けてくれた。
そしてドラムソロが始まる。ヴィニー・アピスだ。
正直、あの年でこの2バスというだけでもすごい。そして、何よりパワーが凄い。
シンセの同期にあわせて稲妻のようなリズムを叩き、私たちを包んでくれた。
メンバーが登場し、「Computer God 」へ。ライブは順調に、厳かに進行していく。
「Die Young 」ではトニー・アイオミが観客を見渡す。それだけでフロアのテンションが上がったのがよくわかった。アップテンポで迫力のある曲だ。なんだか「吸血鬼ドラキュラ城」のテーマソングみたいな曲だなぁ~と思った。
「Heaven And Hell」では大合唱。この曲を知らないであろう若者も、一緒になって合唱している。
こういうことは彼らをとても勇気付けるだろうし、生真面目な若いメタルファンの心を優しく包み込んでくれただろう。私も一緒になって歌った。とても印象的な場面だった。
私は諸事情によりアンコールは見れなかったのだが、最後の最後まで観客は帰ったりしていなかった。メタルだろうがロックンロールだろうが、偉大な先人へのリスペクトを持つ気持ちというのはとても大事なことだと思う。だからこそこの光景はとても嬉しかったし、彼らはまだまだ生き続け、ライブをやり続けてくれるだろうという確信をもった。
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