LIVE REPORT
THE CLICK FIVE Japan Tour 2008
2008.06.11 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer MAY-E
THE CLICK FIVE、2005年にデビューを飾ったポップ・ロック~パワーポップ・バンドだ。
「激ロック的でない」と言ってしまえばそれまでだが、彼らはポップパンクのファンにも十分にアプローチ出来るであろうメロディアスな楽曲と雰囲気を備えたバンドなこともあり、デビュー当時から激ロックのDJイベントにおいても度々プレイリストに加わるなどしていたバンドだ。
1stアルバム「Greetings From Imrie House」はポップな甘いメロディーとキュートな容姿が話題を呼んで、初登場にしてビルボードチャートの15位にランクイン。その後はヴォーカリストが抜けてしまったが、Kyleというよりカリスマ性のある新ヴォーカリストを加入させ、再び活動を開始。そして完成させた2ndアルバム「MODERN MINDS AND PASTIMES」は「Greetings From Imrie House」よりも、彼らが尊敬するポップロック~パワーポップバンド、Fountains of Wayneのファンにも楽しんでもらえるような、より世代を超えてアプローチ出来る良作に仕上がった。
メンバーは全員、バークリー音楽院で音楽の教育を受けていることもあって、アルバムを聴いているだけでもソングライティングの無駄のなさや演奏力、歌唱力ともに申し分ないバンドだと感じる。
だが、ライブはもっとすごい。例えばパフォーマンスが過激だとか、バカテクだとか、そういうことではないのだが、思わず食い入ってしまうようなライブアレンジが多いのだ。曲の終わりをセッションでぐいぐい引っ張るし、意外にガレージ・ロック・バンド風のざらついた音の厚みもあったりして、ヴィジュアルの面で彼らを応援している女の子はさぞびっくりしたのではないだろうか。
他のメンバー4人も十分にかっこいいのだが、フロントマンのKyleの、まるで人類を超越したような顔の美しさと小ささ、そして足の長さには驚嘆した。スーツをビシっと決め込むのもこのバンドの特徴なので、まさに「貴公子」といった出で立ちなのだ。
このKyleはただのイケメンではない、優れたヴォーカリストであるのがまた唸らせる。ライブにおいてもまったくブレない安定した歌唱力とマイクによく通る声質は、女の子を卒倒させるほど魅力的・魅惑的なものだった(倒れた女の子はいませんでしたが)。 ちなみに「Greetings From Imrie House」の曲は、前任ヴォーカリストはユニセックスなハイトーン・ヴォイスだったため、現在ライブでプレイする「Greetings From Imrie House」から数曲はKyleの声に合わせキーを下げている。
パワーポップといえばキーボードは欠かせないが、キーボーディストのBenはライブの際はムードメーカーの役割も果たしている。演奏しながら踊るし、煽るし、さらにキーボードを弾かないパートの時でもユニークな動きをして観客を目で楽しませてもいた。インタビュー時の随分と落ち着いた雰囲気から一転したアグレッシヴなBenの姿に驚いてしまったのだけど、楽しそうでとても良かった。
次回作では、よりジャンルと世代を超えたサウンドを
鳴らしてくれそうな予感がしている。
これからも注目していきたいバンドだ。
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