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INTERVIEW

CIGARS SODA

2026.02.18UPDATE

2026年02月号掲載

CIGARS SODA

Member:NAO(Vo) 戸城 憲夫(Ba)

Interviewer:杉江 由紀

とんでもない新人バンドが爆誕した。このたび2月18日にデビュー・アルバム『CIGARS・SODA』をリリースしたのは、戸城憲夫(THE SLUT BANKS/The Dust'n'Bonez/BAD SiX BABiES/ex-ZIGGY)がリーダーを務め、NAO(首振りDolls/The Dust'n'Bonez)がフロントマンとなり、BAD SiX BABiESの金川卓矢と石井ヒトシが脇を固めるCIGARS SODAだ。とびきりのロックンロールを楽しもう!


メンバーみんながしのぎを削って 自分なりのいいものを出してこそバンドだと思ってる


-激ロックの取材にてお2人とお会いするのは、2023年にThe Dust'n'Bonezがアルバム『1000のロックンロール』をリリースされたとき(※2023年11月号掲載)以来です。このたびは新バンドであるCIGARS SODAのデビュー・アルバム『CIGARS・SODA』についての取材となりますが、約2年半の間に戸城さんとNAOさんがどのような経緯でCIGARS SODAとして動き出すことになったのか、ということをまずは教えてください。

戸城:新人バンド CIGARS SODAの戸城です、よろしくお願いします(笑)。いやまぁ、もともとの話としては俺がやってるBAD SiX BABiESっていうバンドがあるんだけどさ。そっちのほうでは去年2月に『PERFECT EMOTION』っていうアルバムを出したんですよ。で、それと同時か前後くらいでThe Dust'n'Bonezでも新しいアルバムを出したいと思ってたの。ただ、メンバーとスケジュールが合わなくてねぇ。なかなか計画が進まないから、ちょっとイライラしてきちゃって(笑)。別に人間関係の問題とかはないんだけど、あまりにもいろいろ上手くいかなくて途中でシラけちゃったんですよ。

-物事を進めていくには何かとタイミングが重要ですものね。

戸城:やっぱり、俺は譜面の上に音を置いて音楽を作っていくのは全然好きじゃないからさ。メンバーみんながしのぎを削って、自分なりのいいものを出してこそバンドだと思ってるのよ。それができない状況である以上、The Dust'n'Bonezに関してはそこで動きを止めることにしたわけです。でも、曲はアルバムを出すことを見据えてそこそこできてたんで。だったら、BAD SiX BABiESのドラム(金川卓矢)とギター(石井ヒトシ)と一緒にやろうかなと思って。そもそも、2人とはTHE SLUT BANKSでも一緒にやってきてるから、実際にやってみてもすごいしっくり来たしね。ところが、そこからもまたちょっといろいろあってさー(苦笑)。

-といいますと?

戸城:BAD SiX BABiESの『PERFECT EMOTION』が結構いいアルバムだったから、俺としてはツアーに出たかったんですよ。だけど、ヴォーカルの高木フトシにちょっと身体の調子とかもあって、東京でのライヴはできるけどツアーは"ちょっとつらいかな"って最初から言われててね。とはいえ、アルバムを出したらいろんな地方でみんなに聴かせたくなるのが人情ってもんじゃないですか。

-バンドマンの性(さが)というやつですかね。

戸城:そうなのよ。っていうことで、演奏はBAD SiX BABiESの3人でやって歌はNAO君に頼んだところからCIGARS SODAが始まったんです。まずはBAD SiX BABiESの曲をCIGARS SODAの4人でやってツアーをしようよというところがきっかけで、ちょうどThe Dust'n'Bonezのために作ってた曲もあったし、それも活用しながら新しいバンドとしてのアルバムも出そうってなったわけですよ。

-そうした経緯もNAOさんはずっとご覧になっていたと思われますが、戸城さんから"歌ってほしい"とオファーがあったときはどのような心境でした?

NAO:実を言うと、最初に居酒屋で言われた時は一旦断りました。

戸城:そりゃあまぁ、フトシの歌を歌うっていうのは大変だもんな。

NAO:僕はBAD SiX BABiESのレコーディングにもコーラスで参加させてもらってましたから、よく分かるんですけども。ほんとにフトシさんの歌ってすごいんで、BAD SiX BABiESの曲はフトシさんにしか歌えないだろうって思ってたから、最初は断ったんですよ。だけど、戸城さんがツアーに行けないけどとにかく行きたいと言ってたのはよく知ってるし、新しい曲も作るっていうことを聞いた上で、今までの戸城さんのキャリアの中で好きな曲たちを新しいバンド名でやっていきたい、と後日また誘い直してもらって考えは変わりました。今までの戸城さんの作品、いろんなバンドの曲たちを全部まとめて歌えるということなのであれば、ぜひやりたいなと。

戸城:ってことで、今回の『CIGARS・SODA』に入ってる曲のベースになってるものは、The Dust'n'Bonezの次のアルバムとして出すつもりだったやつがかなり多いんですよ。つまり、歌も当初からNAOのことを意識してるものが多いわけです。

-なるほど、そういう流れでしたか。なお、そこからCIGARS SODAというバンド名はどのように決まったのでしょう。

戸城:俺の大フェイヴァリット・バンドにNEW YORK DOLLSっていうのがいるんだけど、1stアルバム『New York Dolls』の裏ジャケの写真で、メンバーが向こうの雑貨店みたいなところの前で写ってるのがあってね。そこの背景に"こういうものを売ってますよ"みたいな感じで、CANDYとかCIGARSとかSODAの文字が並んでるのよ。

-コンビニがまだなかった時代から、"News and Smoke Shop"等と呼ばれ街角で営業していたキオスク的な店舗の看板に並んでいた文字のことですね。

戸城:それそれ。あの裏ジャケの写真は70年代当時結構トリミングされてたんで、書いてあった文字があんまりよく分かってなかったんだけど、今の時代だとSNSでそのときのオフショットとかもいろいろ見られるからさ。これはCANDYにCIGARSにSODAって書いてあったのか......じゃあ、バンド名はCIGARS SODAでいっか! ってなったの。意味は大してないけど、なんか響きがいいじゃん(笑)。

-なおかつ、そんなバンド名が冠されているアルバム『CIGARS・SODA』のジャケ写は、大変キュートでファニーなデザインですね。

戸城:天才 戸城画伯が久しぶりにペンを執りましたよ! 久しぶりっていうか、恐らくアルバムのジャケットとしてはZIGGYで出した3枚目の『NICE & EASY』(1989年リリース)以来かな。モデルはうちの猫ちゃんです(笑)。

-もっとも、アルバム『CIGARS・SODA』の中身そのものはキュートとは異なるテイストといいますか、ロックンロールの醍醐味に溢れた内容となっている印象です。

戸城:たしかに。かつてのロック少年/ロック少女、現代のロックおじさん/ロックおばさんたちに刺さる感じではあるだろうね。だけど、意外に音としては凝ってんだよ。シンプルなロックンロールってことでもなくて、曲の作りとかもそれこそ『NICE & EASY』の頃とは全然違ってるし、もっと転調とかいろんなコードや技を覚えてる俺がいるんで。

-そのことは1曲目の「DANCING DOLL」からも強く感じました。

戸城:あれはちょっとロックンロールっていうよりも、ヘヴィ・メタル寄りだしね。結構最近のリスナーも意識した感じの曲ではあります。チューニング的に言うと、これと「ステディドライバー」はギターとベースの弦が1音下げになってて。別に自慢するわけじゃないけど、俺は未だに新しい音楽もちゃんといろいろ聴いて敏感に情報を取り入れるようにしてるし、つまんねぇ音楽は作りたくないと思ってんの。そこは今回のアルバムでもこだわったよ。

-今作では全13曲を戸城さんが作られておりますが、プロセスとしては原曲をもとにスタジオでメンバーの皆さんと"しのぎを削りながら"アレンジを練っていったことになるわけですよね。

戸城:もちろん、もちろん。そういう曲がほとんど。みんなでやるとコードの響きとかも"俺じゃこんなん考えられないな"っていうものがたくさん出てきたりするし、ドラムに関しても"好きにやってみてね"みたいな感じでしたよ。

-3曲目の「ハウリングスカイ」は豪快なロック・チューンかと思いきや、サビでは一気に開ける感じが痛快です。NAOさんの伸びやかな歌がとても活きていますね。

戸城:あのメロディ展開いいでしょ? それこそこれはThe Dust'n'Bonezのツアー中に作ってた曲なんだけど、サビ裏に入ってるあのコーラスもポイントだから。

NAO:あのコーラス・ワークはいい意味でちょっと普通じゃないですね(笑)。

戸城:俺の中ではAEROSMITHを意識したのがあの部分なのよ。

NAO:サビはThe Dust'n'Bonezのツアー中に作ってたときとはちょっと形が変わっていて、あのパーッと世界が広がる感じになったのを受けて歌詞とかタイトルでも"スカイ"っていう言葉を使うことにした、という流れでした。

-かと思うと、5曲目となる「最果ての月」も完成度の高い曲ですね。実に劇的です。

戸城:また自画自賛みたいになっちゃうけど、特に最後の展開がいいでしょ?

-プログレかのような複雑で緻密なアンサンブルが熱いです。

戸城:俺はKING CRIMSONとかYES、EMERSON, LAKE & PALMERも大好物だから。そういうのをうちでちょっとやりたくてね。この曲に関しては、俺のアイディア以上のものをギターとドラムが表現してくれましたよ。ユニゾンのくだりとかもダビングなしですからね。完全に3人だけで演奏してます。

-さすがです。そうした「最果ての月」はNAOさんにとってはどんな曲でしたか。

NAO:歌詞を書くのが大変でした。後半で突然KING CRIMSONになるから、どういうイメージで詞を書いたらいいんだろう? って(笑)。前半の雰囲気と後半で全く違う感じになってくるんで、音とギャップがないような歌詞世界を作っていくのが難しかったですね。

-ちなみに、NAOさんはこのアルバムの中で13曲分の様々な歌詞を書かれていらっしゃいますが、それぞれに対して音とギャップがないような歌詞世界というものを意識されていたことになりますか。

NAO:それぞれの曲に合ってる詞を書くっていう前提もありつつ、一枚のアルバムとして全部が同じ世界線の中にはいるようには書いてますね。

-それは主人公が一緒ということですか? それとも舞台が一緒なのでしょうか?

NAO:舞台が一緒っていう感じです。1つの映画の中で、いろんな視点で書いてるみたいなイメージです。

-なるほど。ところで、アルバムの発売前に「欠片」が先行配信されておりましたけれども、アコギの響きを活かしたこの曲をまず世に出された理由はなんでしたか。

戸城:なんか、聴いたときに一番とっつきやすい曲かなと思ってね。でも、実はこの曲ってずっと転調してるんですよ。

-すみません、気付きませんでした。あまりにも自然な流れでしたので。

戸城:でしょ? 普通に聴いてたらそんなに分かんないと思う。だけどずーっと転調してて、ワンコーラス目とツーコーラス目は半音上がって、ツーコーラス目でまた半音上がってて。その後も途中でさらに転調してるから。イントロ終わってAメロでまず転調して、Bメロで転調してみたいな感じ。普通だったら最後はもとに戻るんだけど、俺は音楽理論がよく分かんねーからさ。ロックンロールには正解なんてないわけだし、自分の好きなようにやっちゃいました(笑)。結構面白い曲になったと思うよ。

-それだけ転調が多いとなると、歌うのが難しかったりはしませんでしたか。

NAO:いや、歌は音に身を委ねてたら歌えちゃうから、そんなに大変ではないですね。

戸城:歌の面では最後で一番高いところに行くから、ちょうどギリギリで声を張る感じになってるんだけど、そこが印象的に響いてるのも功を奏した感じなんじゃないかな。